雨 バス 時間

2004年11月19日
バスに乗ろうとした時、バスの中から視線を感じた。
目の印象が強い20代半ばのOLさんといったところ。
ただ私が視界に入った、というより、見られてた。
何となくその強い目が気になってバスに乗ると、
30秒後に彼女はまた私を見た。
「私を見た。」

それはたまたま人の顔が気になったとか服が気になったとかじゃなくて、
意思を持って何かを見定めるかのような視線だった。
その時私は一瞬「彼女はA子に似ている」と思った。

A子。中学の部活の後輩。身長低め。体型太目。顔大きめ。男顔。お世辞にもかわいいと言えないタイプ。
人懐っこくてなかなかかわいい後輩だった。

え・・・・A子?まさかあのA子?
私は過去の記憶を辿り、私の知っているA子のデータと目の前のOLと比べてみる。
身長低め。体型普通。顔大きめ。男顔だけど化粧栄えする。目の印象が女っぽい。
でもその目の大きさ、強さ、張った頬骨、A子だと確信する。
そしてA子はまた私を見る。

12年という年月が経過してしまったA子と私の関係では気軽に声をかけることはできなかった。
でもおそらくお互いにわかったであろうその視線のやりとりに、
たかだか半年程度でも一緒にやっていた部活のことを思い出す。
そして時間の経過を思い知らされた。
あのA子も1人の大人の女性としてきちんとお化粧してOLのようなバッグを持って薄手のコートを着てピンヒールのパンプスを履いて生活しているのだと。
おそらく恋をしたり傷ついたり挫折したり発見したり喜んだり私よりたくさんの経験と出会いと涙を越えて美しくなったのだろうと。
当時2つ上の先輩であった私は一体A子の目にどう映っているのだろうか。
大きくて大人に見えた当時の先輩は、ただの地味で色気もない気の強そうな女に映ったのじゃないだろうか。
私はA子のような美しさは持ち合わせていないと思った。
もう先輩ではないなと。

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JUN

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