彼を避けた理由

2004年6月24日
熱い夏だった
初めて高校の野球部の応援に行った
初めて男の子から誕生日プレゼントをもらった
初めて男の子とデートをした
あれは高校3年生の夏

「話しをてみたい」
「休みの日に会いたい」
「電話で話したい」
「非常階段にきて欲しい」

それらの言葉はすべて友達2人を挟んで伝えられた
どうしていつも直接言ってくれないんだろうと思ってた
直接言われてもどう反応していいのかわからないだけなのに
話したいといった彼が緊張で話せないから私がしゃべり倒したり
沈黙が苦しくて「ピアノの発表会が近いから」と電話を切ったり
教室の外で待っているのに気づかない振りをして帰ったり

私は冷たかったのかもしれない
私は避けていたのかもしれない

でもプレゼントを買ってくれたことも
付き合って欲しいって言われたことも
電話をくれたことも
すごく嬉しかったんだよ

でもどうしても友達を挟んで何かを伝えようとすることが気になったし
ちょっとだけ私の気持ちが「好き」に届かなかったから
どうしていいのかわからなかった
中途半端に気をもたせるのも悪いし
どうしていいのかわからなかった
だから冷たくしてしまったの
思い切り避けてしまったの
ごめんね ごめんね
嫌いだったわけじゃないんだよ
ちょっと「好き」に届かなかっただけ
誰かに好かれている自分が恥ずかしかっただけ

2年後に偶然会った時、本当はそう言いたかった
年下の彼女が居るというウワサを聞いて、ちょっとだけ妬けた
私も隣に並んでみればよかったかな

..。oO○.。o○。oO..。oO○.。o○。oO..。oO○

お互いに
影響しあって
記憶をたぐりよせる
似たような場所に生きているのかもしれない
そう思った
でも他人

..。oO○.。o○。oO..。oO○.。o○。oO..。oO○

私は人を避けるのが得意
職場でもそう
苦手な友達もそう
近所の人もそう
親戚もそう
家族もそう
私に好意をもってしまった男の子に対しは特にそう

でも、私が避ける隙を与えてくれなかった男の子がいた

..。oO○.。o○。oO..。oO○.。o○。oO..。oO○

彼はムードメーカーで存在感があり、いつもみんなを笑わせていた。
大きなカラダと大きなアクションと大きなクツで、汚いアパートにはいつも仲間が集まってゲームをしていた。
人より遅れてサークルに入った私には彼のようなキャラクターが新鮮で楽しくて、「なんて良い奴なんだろう。一生友達でいたいな。ずっと一緒に騒ぎたいな。」と思っていた。
特にそう強く思った数日後、彼は同じように思ってくれていなかったことがわかった。

サークルの帰り、みんなでゴハンを食べた後、その彼は気分が悪いと言っていた。ここ数日食欲がなくて、体調がよくないと。
同じ方向の仲間がなぜかその様子を見ていながら先に帰ってしまい、心配をしていた私だけ残された。
彼は本当に辛そうで、駅のベンチに座りながらも何か考えているようだった。
空気を吸いたいから歩いて良いかな?と聞かれ、学校と反対の方向に少し歩いた。
何かいつもと様子が違うな・・・と思っていたら、「実は食欲がない理由があってさ」と彼は話し出した。
その次の言葉を待つ私に、彼はなかなか理由を言おうとしなかった。なぜならば、食欲がない理由が、”私のことを好きだから”だったのだ。
一生友達で居たいと思っていた私には、驚きしかなくて、言葉がまったく出なかった。
なんて答えようかと困っていた時に、彼は言った。「いや、気持ちはわかってるから良いよ。ごめんね。気にしないで。言いたかっただけだから」。
私はまだ断ろうとも思っていなかったけど、結果的にはそういう方向に話が進んだ。かといって訂正するには、彼に対しての仲間意識が強すぎた。

それから帰り道の30分ほどを2人で過ごし、普通の話をした。その時私は顔が真っ赤で、時々しか目を見られなくて、泣きそうな顔だったと思う。
話の合間に「なんだよ。気にするなって。他の奴らには恥ずかしいから秘密ね。」って笑って見せた。心が痛んだ。
その後数週間は顔を合わせるたびに気まずかったのに、彼は敢えて私に話し掛けてきた。
冗談を言ったり、お菓子をくれたり、おどけてみせたり、私をたくさん笑わせた。本当に本当にいい奴だった。本当に。
そのまま私は彼を避けることを許されず、普通の仲間として接することになった。あの時の彼の心の中は・・・・。

..。oO○.。o○。oO..。oO○.。o○。oO..。oO○

みんなごめんね
私は告白して振られたことがないから
「つきあってください」って言う人の気持ちも
「ごめんなさい」って言われる人の気持ちも
理解ができません
私は人を傷つけてばかりで
無傷で平気な顔をしています
本当は傷つくのが怖くて
いろんなことから逃げているだけなのかもしれないけど

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JUN

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